日本建築学会賞について

建築業界において一番権威ある賞

建築によって自然環境が少なからず破壊される現象はどうしても否めない、その点は人間の技術が発達するたびに起こってしまう。この点について建築家からすればいかにして人々の反感を抱かないよう、そして自然破壊を極力抑えながらも自然と共生できるような開発が出来るか、などといった点も命題といえるだろう。とはいっても、建築家にしても根本的なところでは芸術という面で生きている。彼らにすれば自分の作品である建築物を完成させるのはある意味宿命であり、評価されなければならないものだ。評価されているうちは華、なんて言い方はストレート過ぎるかもしれないがその通りな面もある。建築業に関して言えば公共施設は有に及ばず、特に住居となるマンションなどで重大な欠陥が見つかりでもしたら大変だ。この問題についてはかつて色々と社会問題化もした現象もあったが、建築家視点からすれば有名になりさえすればいいというわけでもない。

百選として紹介してきた建築物について、本当に凄いと思える作品もあるかも知れない。ただ一方でこの建築物のどこが凄いのかと疑問に感じる人もいるはず、それは単純に汚れであったり、歪みであったりといった部分だったりする。かつて姫路城の天守閣を建設した宮大工が最高傑作と称しながらも建物全体が歪んでいる点に気づき、奥方に確認してもらった際にはっきりと歪みがあると伝えられた際には自害するという、とんでもない結末を迎えてしまったエピソードもある。

人によって建築物の良さは異なっている、百選に登録されているからといっても建築だけでもいくつも種類があるため、本当に凄い建築物とはなにかの本質性が感じられない。それをはっきりと知履帯と思っている人は、一度『日本建築学会賞』というものを知っておくといい。この賞は建築業界の中で一番権威のある賞であり、これを受賞した際には創造した作品が真の意味で芸術的に評価されたと思っていいほど、歴史ある賞となっているのです。

建築家の傑作が評価される

建築物はいうなれば建築家にとって血と汗と涙の結晶ともいうべき芸術品だ。公共施設では実感が沸かないという人でも、自宅となる住居の設計にこだわりを持って取り組んで完成させれば愛着が湧いてくるはず。建築家も設計から完成まで、そのプロセスを介して出来上がった作品には当然優劣は存在している。そして自身最高作と称するに値するものは同業者よりも優れている、その証はどうしても欲しいだろう。

それを決定的なものと出来るのがこの日本建築学会賞だ。建築の、実際の作品が対象になることもあるが、建築業界において何らかの大きな功績を上げた人にも送られるため、受賞すればその後仕事については安泰と言わんばかりに盛り上がりを見せるだろう。この賞では建築物などの作品を始め、『論文』・『技術』・『業績』といった面でも評価対象となっている。どれか一部門でも受賞できればすごいことではあるが、中々受賞できるものではないというのは理解できるだろう。建築家の中には実際にこの賞を受賞するために鋭意に鋭意を重ねて研究を続けている技術者もいる。

こんな人が受賞

日本建築学会賞を過去受賞した人、といっても知らない人も大勢いるが、先ほど軽く紹介したとある建築業界において第一人者としてその地位を有していた『芦原義信』さんも1959年にこの賞を受賞している。当時の芦原義信さんが受賞を決めたのは中央公論ビルが受賞している。今ではこのビルは現存していないが、当時は圧倒的な存在感を放ちながらも現代明媚なビルの様相は斬新だったということだろう。この時代を知る人にとって、当時まだまだ発展段階にあった日本経済の中ではある種の象徴的な存在だったのかもしれない。

見られないのは残念だが、美術館などに当時の様子が写真で残されているので、一度見てみると当時と現代の違いなどを垣間見るのも面白い。

該当しない年も

権威ある賞と称されるだけあって、時にはその年に開発された建築物の中に賞するには該当なしという厳しい判断を下す年もある。それが2013年の頃と、思いっきり身近な話になるわけだが、論文については受賞している。作品についてはあれだが、2013年では論文にて受賞している物を見ると、このような内容が採用されたという。

  • 秋山 宏著:エネルギーの釣合いに基づく構造物の耐震設計法の確立と普及に対する功績
  • 仙田 満著:地球環境、子供の生育環境などにおける環境デザインの研究・設計・教育・社会活動に対する貢献
  • 原 広司著:様相概念をめぐる空間理論の体系化と創造的な建築・都市設計による建築界への貢献

見てもらえれば分かるが、素人目線ではさっぱりな内容のものばかりだ。理解しろとは流石に言えないので、とにかくこういった理論を考えだしたものが高く評価されていると思ってくれればそれでいい。しかし建築物の素晴らしさを業界に携わらない人が見た場合にはやはり実際の作品を見ないと決められない人もいるだろう。次からは具体的にどのような建築物という作品が、日本建築学会賞にて選べるのかを見てみよう。